第3章 真っ白な少女と烏たちの出会い
入学して一番最初にくる大きな休み。GW。
GWは久しぶりにお姉ちゃんのお店に遊びに行ったり、幼なじみのゆずちゃんと遊んだりした。アイドルって本当に凄い。至る所でサイン頼まれていた。東京に帰ることは抵抗があったけど、何事もなく充実したGWを終えた。
「仁花、ご飯食べよう?」
「うん!ちょっと待ってね。ぐんぐんバナナ買ってくるから。」
「私も飲み物欲しいから一緒に行こう?」
私たちは飲み物を買うために教室を出た。
自販機の前に行くと、ボタンを目潰ししそうな勢いで押している人がいた。
「ヒィッッ!」
彼の目付きに仁花は怯えていたけど、彼は特に私たちになにかをする訳ではなさそうなのでスルーした。
「な、なんかすごい人だったね…。」
「そうだね…。」
まあ、もし悪い人だったらはっ倒すけどね。仁花に危害を加えるならそれ相応の報いを受けてもらうから。
「あ、アリィ?なんか顔怖いよ?」
「ハッ…大丈夫。ちょっと考え事しててね。行こう!昼休み終わっちゃう。」
無事に飲み物を買い、私たちは教室へと足を急がせた。こういう平和な時間が私は楽しかった。