第3章 真っ白な少女と烏たちの出会い
「私は『化け物』なんです。まずはこの目。色も、特性も。」
何を言っているのか分からない。そうみんなの顔には書いてあった。
「…私がここにいたら皆壊れちゃいます。だから、」
「何言ってるの?白銀さんは化け物なんかじゃないよ?」
「…え?」
顔を上げるとヘイゼルの瞳と目が合った。頭の中に彼の情報が流れ込んでくる。
「…日向翔陽。身長162.8cm、体重51.9kg、ポジションMB、5段階評価でパワー1、バネ5、スタミナ5、頭脳1、テクニック1、スピード5。」
「…は?」
やっちゃった!どうしよう!怖い!もう『化け物』として扱われるのは嫌だ!
「凄ぇ!!合ってる!なぁ何?今の何!?」
「…うん?」
間抜けな声が口からこぼれる。めをらんらんと輝かせてこちらを見てくる日向くんは私には眩しい。
「引かないの…?」
「引くも何も1発で当てるなんてすげぇじゃん!白銀さんエスパーなの!?」
「…!」
「えっ!?えぇっ!?ご、ごめん!?」
目から温かいものが流れて、頬を伝う。
「あ、すみません!何で、だろう?本当に、もう。止まらない…!!」
マネージャーの先輩が差し出してくれたタオルを受け取って顔を隠す。もう、嬉しくて涙が止まらなかった。