• テキストサイズ

【鬼灯の冷徹】あの世の行い気をつけて【トリップ長編】

第5章 地獄DEショッピング


「ねぇ、本当に何もいらないの?」
「先程選んで頂いた髪飾りだけで結構です。」
「ほら。葎華ちゃんもこう言ってるし、私達この後行かなくちゃいけない所があるのよ。白澤さん、ごめんなさいね。」
「えー、女の子を手ぶらで返させるなんて僕にはできないよー。」
白澤様を真ん中にして両手に花の状態でショッピングモールの中を進んでいく。時折知り合いを見つけたのは立ち止まらずに手を振る白澤様をここまで歩く間に何度見ただろう。「知ってる女の子を見たら挨拶しないっていうわけにはいかないよね、失礼だし」との談。
しかし私としてはこのスケコマシーサー状態の彼から荷物を返してもらって、とっとと寮に帰りたいのだが持っていてくれる当の本人が「お家まで運ぶよ。こんな重たいものを例え分けたとしても女性二人に持たせるのは酷だしね」とのたまうのです。
「…荷物を持って頂けるだけでも十分感謝してますので、そこまでお気づかい頂く訳には」
「あとさ、最初であった時みたいに呼び捨ての方がいいな。今の君の話し方よりずっと素敵だよ。」
「じゃあとっとと荷物返して下さい、白澤様。」
「やだよ。君が本当に欲しいものを僕にねだってくれるなら良いけど。」
「・・・・・。」
笑顔で拒否するイケメンに向けて当てつけの様に盛大な溜息を吐きながら立ち止まればお香姐さんが寄ってきて耳元で
「こうなった白澤さんはお話聞いて頂けないから…なにか適当に雑貨とか買ってもらうとかどうかしら?」と仰ります。
慌ててモールの中を見渡せば、鮮やかに咲き誇る花と緑が目に入り。小走りに駆けよっていけば私の大好きな花がある事に気づいて、ついでにちょっとしたことも思い出したので後から私を追ってきた彼に笑顔を向けて、でも心の中でほくそ笑みながら言いました
「白澤様、私このお花が欲しいです!」
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp