• テキストサイズ

【鬼灯の冷徹】あの世の行い気をつけて【トリップ長編】

第5章 地獄DEショッピング


「あら、可愛いお花。蛍袋みたいに下を向いて咲くのね。」
「はい、サンダ―ソニアっていって別名クリスマス・ベルとも言うんですよ。」
私の後ろに立ち花かごの中を覗いてくるお香姐さんにお花の知識を教えてあげる、実はこの花が某テニス漫画の分身しちゃうキャラクターの誕生花だから色々と覚えていた事は秘密だ。
「うんうん、葎華によく似合ってるよ。鮮やかな黄色がよく似合うし。」
そう言ったかと思えば早々に店員さんと話をつけ数分後には小ぶりな花束といつの間に選んでいたのか小ぶりな花瓶も一緒に会計を済ませ、綺麗な紙袋ごとお花を私に差し出して
「今日は楽しかったよ。君みたいな良い子だとまた遊びたいんだけど、今度はいつが暇かな?」
と告白まがいな質問をしてきたので…

「私は鬼灯様付けの雑用獄卒なので今後の予定は彼にお聞きください。それと、今あなたが持ってる花の英名後で調べてみてください。とっても面白いですから。」
鬼灯様の名前を出した途端にすこぶる嫌そうな顔をしたのでその隙にお香姐さんに目配せしてから荷物を奪還し、何か言いたげな白澤様には「ここまで本当にありがとうございます、すごく助かりました。この後も用事があるのでそろそろお暇しますね。では、また今度」と姐さんが切り返してくれたのを皮切りに足早にその場から離れました。

後ろから「じゃあ、今度の休みに桃源郷に遊びにおいでよー。僕何時でも待ってるから!」との声が聞こえましたが無視です、無視。
・・・・・しかし私の本性を知ってるから、一度本気で釘を刺しに行かないと後々マズイかもしれないし…先が思いやられる。とか考えながらショッピングモールを後にしました。

こうして私は当面の衣類や必要な雑貨の類を手に入れ、そして残りの時間は着物の着付け方法などを教わり(と言っても帯はまだ上手に結べないので、その手前まで教わりました)お香姐さんとの素敵な一日を過ごす事が出来たのでした。
「さて、素敵な着物も手に入ったし…お花に罪はないしね。」
そう言って、簡素な机の上に置かれた葉瓶の中に揺れる花を一つ引き抜いて髪に刺す
「チャイニース・ランタン・リリィ・・・鬼灯の名を冠した花を彼が買うだなんて、なかなか洒落てる事考えつくわよね。私も。」
そう言って鏡の前でおどけて見せた。
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp