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〈HQ〉いいなりマネージャー【稲荷崎/R18】

第5章 霜天のブルーデイ《短編》






侑「もし今後またこいつに手え出そうとしたら…。わかってるんやろうなあ?」




まるで汚いものでも見るように、冷徹な視線で相手を見下す侑。

その迫力に2人組はすっかり萎縮してしまっていた。



侑の本気は洒落にならないんだよなぁ。
少し相手に同情してしまう。




「「は、ハイっ!」」




侑「さっさと俺らの前から消えろや」




「くっそ……次の試合でボコボコにしたる」




侑「ア゛ァ?自分らみたいな雑魚が俺らに勝てるわけないやろ。返り討ちにしたるわ」




「覚えとけよ、」




侑「おーおー、負け犬はよう騒ぐな。見苦しいから、はよ失せた方がええで。」





バタバタと走っていく足音。





侑「アイツら、逃げて行きよった。」





ーーもう大丈夫やで。穂花。




しばらく侑の胸に顔を預けていたものの、彼らが立ち去ったことを確認して安堵の溜息が漏れる。




腕の中から身を離すと、すっと差し伸べられる手。





侑「ほれ」





その大きな掌に、おずおずと自分の手を重ねる。

異性と手を繋ぐなんてはじめてのことなので、熱くなっていた身体が余計に火照りだす。





侑「俺らも行くか」



『あ……、うん』





そう言って握り返した侑の手は、自分のものより少しひんやりしていて心地よかった。




のだが。




『こ、こわかった……』



侑「は…?」




安心して力が抜けたのもある。そして体温がどんどん上昇していることも原因なのかもしれない。

脚に力が入らず、地面にへたり込んでしまった。





うわぁ、絶対バカにされる…。






恥ずかしくなってギュと目を瞑ると、上から降ってきた言葉は思いもよらないものだった。





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