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〈HQ〉いいなりマネージャー【稲荷崎/R18】

第5章 霜天のブルーデイ《短編》





「にしても、こんなとこで会えるなんてラッキーやなぁ」



「てかちょっと顔色悪くない?平気?」



「ほんまやなあ。風邪か?」




 
『や、大丈夫ですから…』




やんわりと拒絶の言葉を口にしながら距離を取ろうとするも、後ろは壁で身動きがとれない。



いつの間に肩に手も置かれていた。

知らない人から触れられるのは、いくらなんでも気分が良いものではない。


乗せられた手をさりげなく払おうとするのだが、思ったよりも力強くて振り払うことさえできず。





「え〜、そんなこと言わないでさ。具合悪いならちょっと休んでこうよ?」




「せやせや。俺らが看病したる♡」




「お家どこ?一緒に行こうか。」





わたしを置きざりに話が勝手に進んでいく。



稲荷崎に負けたとは言え、相手も男子バレーボール選手。

その圧倒的な体格差の前には、どうしたって自分は非力で。


抵抗しても叶うはずがない現実に少し怖くなってくる。


触れられた部分は、だんだん血の気が引くような感覚すらした。




体調が万全じゃない今は走って逃げ出すこともできないし。



万策尽きたこの状況に閉口していると、二人は無言の肯定と受け取ったのか抱きかかえようとしてきた。





『やっ、!』




























「おい、その汚い手えどけろや」











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