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〈HQ〉いいなりマネージャー【稲荷崎/R18】

第5章 霜天のブルーデイ《短編》




〈 side マネ 〉



「ほら、俺らと一緒に行こ?」



まずい。非常にまずい状況だ。

どうしてこんな厄介なことになってしまったのか。

ぼんやりとする頭で少し前の出来事を回顧する。











遡ること半刻前。


学校から歩いてきたものの、

身体が鉛のように重く、脚が前に進まない。


ちょっとだけ休もうか、そう考えて人通りの少ない道の壁に凭れかかる。
呼吸を整えようと肩で息をしていると、突然後ろから男の人の声がした。




「ねえ。きみ、稲高のマネージャーでしょ?」




『そうですけど…』




「おお!ほんまか!」




声を掛けてきたのは2人組の他校の生徒で。

ジャージの文字から察するに、この前対戦した学校の部員らしい。





「やっぱり!この前会場で見て、かわいいなと思ってたんだよね」



「この前試合したんやけど、俺らのこと覚えとる?」




話しているうちにどんどん距離が詰められて、壁との間に挟まれるような形になってしまう。近い。




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