第1章 始まりのナイトメア《宮侑》
実際、北さんにこの写真を見せたとして穂花を辞めさせるなんてことになるとは思えへん。
北さんがこいつのことを大切に思っとるのは、選手なら全員知っとる。
寧ろ自分への恋心に気付くきっかけになってしまうかもしれんなぁ。
でも、冷静さを欠いた今の穂花にそんなことがわかるわけもなく、
『お願い、あつむ、、
北さんには内緒にして、、』
涙目になりながら必死に頼む穂花に、加虐心が煽られた。
「人にものをお願いするには、対価が必要って決まってるやろ?
世の中ギブアンドテイクは常識やねん。」
『対価…?』
「せやで。例えば…………俺の願いを聞くとかな。」
穂花の瞳に困惑の色が浮かぶ。
でも、マネには受け入れるしか選択肢は残されていない。
「いやなら無理しなくてもいいんやで。
まあ今すぐこの写真北さんに送るけどな?」
『ま、まって……!』
わざと揺さぶるような言い方をして、逃げ道を塞いでいく。
『…わかった。お願いします、、
何でもするから、、』
「何でも、か。言うたな。
その言葉、覚えときや。」
聞きたかった言葉が聞けて、思わず口角が上がる。
「そうやな〜〜」
「じゃあ、今日から俺の性欲処理係になってや。」
さてと、お楽しみはここからやで。