第3章 HBD 愛すべきツインズ《番外編》
『ハッピーバースデー、侑!』
響き渡るクラッカーの音と、帰ったと思っていた穂花の姿。
「「「「「おめでとう、侑」」」」」
そして、さっきまで一緒に練習をしていたメンバー達もいた。
部室内は綺麗に飾り付けられていて、部屋の真ん中にはケーキが置かれている。
「…………っ、はああ?!!」
想像もしていなかった展開に呆気にとられる。
みんな忘れてたわけやなかったんや、そう安堵すると頬にあたたかいものが伝うのがわかった。
「…………ほんっまに……なんなんッ」
必死に堪えていた雫が堰を切ったように溢れ出す。
「は、何なんお前、ガチ泣きやん」
「だーーーッ!サムは黙っとれ!」
『ごめんね、意地悪しちゃって』
部活中に飾り付けたんだよ〜、と得意気なマネージャー。
満面の笑みで、褒めて!と言わんばかりに話しかけてくる。
「まあ、お前にしては上出来やん。」
「せやな」
『何なん?!……素直じゃないなぁ、』
くっそ、こいつかわええな、と思ったが伝えるのも癪なので治と悪態をつく。
……まあ、照れ隠しなのはバレてるみたいやけど。
「…って、お前も誕生日なのになんで知っとんねん」
「ああ、アラン君がバラしてん」
「すまんて!!!!!!!!!」
片割れに問い掛けると、その奥で顔を覆ってしまうアラン君の姿が見えた。
「宇佐美がバラしそうでヒヤヒヤしたけど、侑もアホで助かったよ」
『「角名!!!」』
「誰がアホや!」
『侑"も"って何!』
わーわー言い争いをしていると、北さんから喝が入る。
「早よせんと、ケーキが可哀想やろ」
「「『ハイッ!』」」