第3章 HBD 愛すべきツインズ《番外編》
「ちょっ、待てや!今、プレゼント言うたか?!」
「ツム、喧しいわ」
全力疾走して3人に飛び掛かる。
キョトンとした顔の穂花に詰め寄った。
『?』
『だって、今日は治の誕生日だし。プレゼント渡すのも当然でしょ。』
「は…?」
こいつ、何言うてんのや。
とんでもない回答に一瞬思考がフリーズしかけた。
「お前…コイツと俺がどんな関係か知らんのか?!」
「指差すなや」
『?双子でしょ? それがどしたん?』
「嘘やろ………」
ああもう話が通じへん。
そう判断した俺は角名に問いかけた。
「角名!お前は今日が何の日か知ってんやろ?!」
「ああ、今日は………」
こいつは覚えてたんやな、良かったわぁ
ほっと胸を撫で下ろし、その次に続く言葉に期待して、角名の方を見つめる。
「モンキー・D・ドラ◯ンの誕生日だよね」
「……………はぁああ、ッ?!」
思いもよらなかった言葉に、全身から力が抜ける。
『あ!世界教師デーでもあるらしいよ!』
追い討ちをかけるような穂花の発言に、反応する気力も無く膝から崩れ落ちる。
ちょうどその時HR開始のチャイムが鳴った。
『あ!やば!じゃあ、侑また部活でね〜〜』
「じゃ、また」
そう言って教室に入って行くマネージャーと角名。
最後に残った片割れからは冷ややかな視線が注がれている。
「………ダサ」
そう呟いて去っていった治に、俺は頭を抱えるしかなかった。
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「いやー、宇佐美が治の誕生日とか言うから焦ったよ。」
『でも、上手く誤魔化せたでしょ?』
「そう……か、?」
「ツム、むっちゃ落ち込んどったで。しばらく静かになりそうやな。」
『なんかさすがに可哀想になってきた……
はやく放課後にならないかなぁ。』