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〈HQ〉いいなりマネージャー【稲荷崎/R18】

第1章 始まりのナイトメア《宮侑》





修繕の終わったユニフォームが入ったカゴを抱えて部室へ入る。


一つひとつ丁寧に畳み、それぞれのロッカーへしまっていく。


数十枚を片付け終わり、残すユニフォームは一枚。
 




背番号1番。

北さんのものだ。



 

反復、継続、丁寧を信条にしている人に対して妥協は許されない。

今までのもの以上に慎重に四隅を揃えて畳む。




きちんと畳み終わったユニフォームを仕舞おうとして、
ふと愛しさと切なさが込み上げてきた。




いつもバレーに真摯な北さんが身につけているユニフォーム。


どうせ叶わない恋ならば、これくらいのことは許されるんじゃないか、

そんな気持ちに押され愛しい人のユニフォームを抱きしめた。


もちろん、良いことじゃないのはわかっている。


でも今日は少し疲れていたのか、そんな判断ができなかった。






『北さん…』





























「へえ、面白いもん見ちゃったわ」











目を瞑っていたら、背後から声がした。


声の主がいる方向へ慌てて振り返る。

















ドアのところに立っているのは侑だった。












ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべてこちらを見下ろす侑の姿に、背筋にひやりとしたものが流れるのを感じた。










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