第2章 次なるミゼラブル《角名倫太郎》
一回やってみたかったんだよね、顔射。
綺麗な顔が、俺の白濁で汚されている。
その光景に俺の黒い欲望は満たされていた。
はずだった。
『……き、た……さん…。』
部活中の見る影もないほどぐちゃぐちゃになってしまった顔を俯けて、そう呟いたマネージャー。
それは消えてしまいそうなほど微かな声。
でも、俺の耳にはしっかりと届いてしまった。
北さんを慕いながらも俺に抱かれ、さらには自分から俺を求めてしまったことを懺悔するような声色。
北さんに視線を向けているマネージャーの姿を見たときに胸の底で揺らめく、あのどす黒い感情が心に渦を巻くように現れた。
俺のことだけを考えてろよ
制服のポケットからスマホを取り出し、
すっかり汚れてしまったマネージャーの姿を撮影する。
『…や、やだぁ………』
慌てて顔を隠そうとするが、もう遅い。
イイ写真が撮れたことに満足し、画面をマネージャーの方に向ける。
「誰かに話そうとしたら、この写真拡散するから」
脅迫のようにそう伝えると、虚だった瞳に恐怖の色が浮かぶ。
可愛いなぁ、堪らない。
そう思い、頭を撫でていると
コツコツと聞こえる足音。
誰か来る。