第2章 次なるミゼラブル《角名倫太郎》
そう言って宇佐美の顎を持ちあげ、上を向かせる。
ふっくらとした唇を親指でなぞると、宇佐美の瞳に戦慄の色が浮かぶ。
まるで肉食獣に捕われた小動物のようだ。
その表情に胸が高鳴るのを感じ、唇を重ねた。
宇佐美の形の良い唇はふっくらとしていて、いつまでも味わっていたいものだった。
『んっ……ふぅ、ッ………』
30cmの身長差があるため、上から降り注ぐ口付けにつま先立ちになって応じている姿が愛らしい。
唇の触感を愉しむために啄むようなキスを続けていると、段々と宇佐美の顔が蕩けてきたのがわかった。
顎を掴んで、舌を出すように指示する。
ちろりと遠慮がちに現れた、小さな赤い舌を自身の舌で絡めとる。
そのまま狭い咥内へ侵入した。
『…んっ、?!んんぅ……!』
「舌、引っ込めないで。俺と同じようにして。」
突然の大きな刺激に驚き、奥へ逃げようとする舌。
そんなことを許すはずもなく、宇佐美の付け根の方まで深く差し込んだ。
自分からする行為に恥じらいがあるのか、それとも単に呼吸が苦しいのか、瞳が潤んでいる。
しばらくの間、柔らかな咥内を堪能していたが、宇佐美の限界がきたようだ。
俺の胸板を押し返す必死な姿がかわいらしい。
その懸命な姿に免じて、最後に一際強く吸い上げてから解放してやった。
『んんんぅ、ッ!!……ぷはぁっ、、はぁ、っ……』
酸欠で紅潮した頬に溢れた涙が伝う。
口の端からは最早どちらのものか分からなくなった涎が零れている。
俺に乱された呼吸を整えようと、一心に酸素を取り込む宇佐美の姿に、何かが満たされるのを感じた。