第2章 次なるミゼラブル《角名倫太郎》
部活終了後、マネージャーの仕事も片付き、制服に着替えて帰路につこうとしている宇佐美に声をかける。
「マネージャー、備品について聞きたいことがあるんだけど」
帰ろうとしていたところに声をかけられても、嫌な顔ひとつせず笑顔で対応してくれる宇佐美。
もちろん備品の場所は把握しているし、こんな事ただの口実に過ぎない。
『あ、それだったら体育館倉庫にあるよ!
わたしも一緒に行くね』
そういって体育館倉庫へ向かう宇佐美の後ろをついていく。
スカートから見える綺麗な太ももに視線を集中させていたが、全く気付く様子はなかった。
何の疑いも持たずに倉庫の奥に進んでいくマネージャーを眺めながら、後ろ手で静かに倉庫の扉を閉める。
想像以上に事がうまく運んで、内心にやけが止まらない。
「そういえば、あの稲荷崎カラーのヘアゴム。最近してないね。」