第1章 始まりのナイトメア《宮侑》
誰かの話し声が聞こえた。
部室に近づいてきている。
「あかん、角名と治や!」
アイツらも一緒に練習しとったの忘れてたわ。
さすがにこの状況を見られるのはあかん。
そう判断し、マネージャーの腕を掴んで咄嗟に1番大きいロッカーの中へ隠れた。
「あれ、何で電気がついたまま?」
そう言って訝しげに部室に入ってきた声の主は角名。
「ただの消し忘れちゃう?
ツム、あほやし。」
角名に続いて入ってきたのはサム。
アイツ、覚えとれよ。
2人はそう言って、帰宅の準備を進めているみたいや。
『侑は入る必要なんてなかったんじゃ、、』
息を潜めていると、俺の腕の中の穂花が小声で呟いた。
1番大きいと言っても所詮はロッカー。
お互いの体温がはっきりわかるぐらいには、肌と肌がくっついとる。
にしても、これは狭すぎやろ。そう思って少し身を捩ると、
『…ひゃ、ぁんッ!』