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【イケメン戦国】雑記こもごも—短編集―

第4章 虎でも猫でも(謙信)


「夜長」
「は……い」
「佐助の見解も一理はある。どうやら獣の如く発情してしまったようだ」
獰猛な色香で迫られ、夜長は「片付けは、明日になるかもしれない」と諦めつつ、あがいてみる。

「あの、謙信様」
「なんだ?」
「猫を飼うというのは、いかがでしょうか?可愛らしく、鼠よけにもなりますし」
夜長の提案に謙信はわざとらしく「すまないな」としおらしく謝る。
「お前の望みは全て叶えてやりたいが、それだけは諦めろ。猫は兎を喰うからな」
「そう、なんですか……?」
身体を固くする夜長の頬を両手で挟むようにして触れる。
「ああ。お前も愛らしい白兎の様だ。やわらかくて温かく、すぐに捕まえられる。……猫に喰われても仕方が無いな」
渾身の仕返しを受け、夜長は思い付きで物を言う性分を後悔するのだった。

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