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闇・色

第5章 サキの術・暗部時代


夕日がもうほぼ沈みかけて、そこは青と、ピンクと赤のまじわる空が私達を覆う。


沈黙の中、風だけが静かに通り過ぎ、君のきれいな銀髪をくすぐっていく。




長い沈黙をやぶったのは君から。



「あれから…俺は暗部にはいった。俺たちの先生だったミナト先生が火影になって…先生が俺を心配して…そばで見れるようにって」


そうか、4代目がかかしの先生であり師匠。
仲間をなくしたかかしを気遣い、傍に置きたかったのは当然だったろう。

「暗部の仕事はきつい。それでも、ミナト先生がいて、その奥さんのクシナさんも俺に良くしてくれて‥‥
俺はなんとか頑張ってこれた。
クシナさんも妊娠して、その護衛もしてた。
戦争の知らない世代が生まれてくる…それが俺にとってどれほど光にみえたか…」


そう話すかかしの色は、暗闇のなかにも輝くピンクのような、暖かい愛情の色をまとっていた。
紛れもなく、それはかかしにとっての暖かみのある時間の記憶。


「でも俺は…また守れなくて、守られて…失った‥‥」


九尾の事件…4代目が命を賭けて里を守ったという。
一緒に奥さんもなくなり、残された生まれたての子供は人柱力となった。
部分的に知っていることはある。
だが、私はかかしと年齢差もあり、里外にでることも多くつながらない部分もあったけど、少しずつパズルのピースを合わせるようにつながっていく。
なるほどね___


「ミナト先生が亡くなった、あの九尾の事件…
若い世代の俺たちは、あえてその闘いに加えさせてもらえなかった。俺はミナト先生を助けにいくこともできず、2人を失った…。
それに暗部の仕事は、暗殺や汚れ仕事が主だ。
なんであろうと殺しは殺し‥‥俺はもう大切なものをすべて失って、なのに、奪って、奪い続けて…。
オビトやリン、父さんの意志を忘れたことは、片時もない。でも…サキの言う通りだよ…俺は…いつ死んだっていいと思ってる…」


最後は私の眼をみてそう言った。

向かいあって座る互いの目線はぶつかったまま。



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