第4章 サキの術・少年時代2
「2人の意志は、もうかかしの心と、その左目と、この右手に宿ってる。かかしがこれからどう生きるか、だんだん見えてきたんじゃない?」
「‥‥うん…サキ…ありがと…」
「いいよ。これも私とかかしの、特別な時間のため…」
「サキ…いついなくなるの?」
「そうだな、きっとまた、かかしが眠ったら…」
「…じゃぁ…それまで俺と、一緒にいるだろ…?」
そういって、少し大人ぶる君は私の手を握った。
そのまま君の家にいく。
だんだんと見えてくるのはあの時と変わらない一軒家。
お風呂に入って、またかかしのお父さんのTシャツをかりて、ごはんを食べて、眠りにつく。
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「サキ…まだ俺のこと見てるの?もう十分見たでしょ?」
布団にはいってもまだ飽き足らず見つめる私に、君はまたあきれている。
「見るの好きなんだ。かかしのこと…もちろん抱きしめるのも」
あれだけ包まれていた大きな闇の海が消え、君は2人の意志とともに今暖かく包まれているのだ。
見たことないはずの、オビトくんとリンちゃんがそこに見えるような気がするくらい。