第5章 天守閣
「来実…貴様が優しすぎるから
その甘っちょろさが移っただけだ」
「…私は優しくなんてないですよ
ただ弱いだけです…」
曇った顔で答えると
信長と秀吉は顔を見合わせた
「来実今日は色々合って疲れただろ
明日の為に早く寝ろ」
「明日何かあるのですか?」
「秀吉と城下町に行ってこい
好きなものを買って楽しめ」
「え…でも
世話役の仕事は…?」
「これも仕事だ
俺に仕えるからには安土を知れ」
「今までのぶん
これからできるだけ側にいて
お前の世話を焼く
覚悟しとけよ来実」
「ふはっそれじゃ秀吉さんが
世話役になっちゃうよ!」
くすくすと笑う来実に
温かい眼差しを向ける二人だった