第5章 天守閣
「来実すまん!」
ばっと頭を下げられた
「え!?あの頭上げてください!」
(天下統一した人に頭下げられちゃったよ!)
「だが…」
「いいんですよ私気にしてないです
そりゃちょっと怖かったけど…
私が逆の立場でも怪しいと思うし
それに秀吉さんの信長様に対する
忠誠心が伝わってきたから」
「来実…ありがとな」
「はい!」
「信長様も話を聞いてくださって
ありがとうございます」
「俺も楽しめた褒美が増えたな来実」
「!?いりませんよ!!
…でもこの話をする時
秀吉さんを呼んだのはこの為ですよね」
「気づかれたか…貴様は本当に聡いな」
「信長様はお優しいのですね」
と言うと信長は驚いた顔をする
「俺が…優しいか…」
自嘲したような笑みを浮かべる
「それは貴様に少し毒されただけだ」
「私…?」