第5章 天守閣
「修学旅行しおり…か
この絵は見事だな」
と言って表示を見る
「あ、それ私が描きました」
「来実が描いたのか?!」
「はい先生に頼まれて」
来実は学校でこの手の頼まれごとは
日常茶飯事だった
絵については特にうまかったため
先生にも頼まれる始末
だが然程面倒には思ってなかった
人から頼まれたら断れないのだ
というより優しすぎる性格なだけかもしれない
佐助が言っていたことは当たっていた
「これだけ描けるのなら絵師に
なれるぞ」
「はぁ…まあ趣味の一つだったので
大したことないですよ」
「…余程自分に自身がないのか…
謙虚なのか…」
「なにか言いました?信長様」
「いや…何もない
秀吉疑いは晴れたか?」