第25章 返事
「そ、そうですか…」
(顔が熱い)
「その、皆さんに羽織を
送りたいんですけど」
「羽織を?」
「はい今日買ったので
作りますね」
「ああ、お前がそうしたいなら
いいが無理はするなよ」
「はい……あの、
少し離れ…」
「断る」
(ううっ)
「…と言いたいところだが
このまま触っていたら欲が出るな」
「?」
(欲?)
「お前にもっと触りたくなる」
ぼんっと赤くなる来実
「ふ、お前は本当に愛らしいな」
「そ、そんな風に言うの
ダメですっ」
「何故だ?」
(そんなの)
「…頭が謙信様のことでいっぱいに
なるから…ダメ、です」
「っ!」
手で隠していた顔を上げると
謙信の頬が紅潮していた
「謙信様?」
謙信は立ち上がると襖に手をかける