第11章 捜索
「佐助君!」
佐助はレッドカードを手に来実を庇った
「れっどかーど?」
「謙信様…探しましたよ
何してるんですか」
「佐助
この女は京の町娘ではなかったのか?」
「違いますよ
安土の城の針子として
働いてる来実さんです
京へは旅行に来てて迷子に
なってたところを俺達と
鉢合わせたんです」
つらつらと嘘を重ねる佐助
(凄い…無表情だから嘘ってバレてない)
「そうだったのか?」
「…!はい
それでお世話になったので
貴方を探すお手伝いをしてました
あのさっきはありがとうございました」
ペコッとお辞儀をする
「構わん
俺が気に喰わなくてしたことだ」
「それでも助かりました」
(夜桜使わなくて済んだし)
「……。」
じーと見られていたので
話題を変える
「じゃああとはもう一人だね
佐助君!」
「あぁあの人なら幸が見つけたよ」
「本当?良かったね!」
「今あっちのお茶屋で説教中だから
俺たちは甘味でも食べよう」
「え?でも…」
「行くぞ来実」
「え!?わぁ!」
「ちょっ!謙信様
あんまり雑に来実さんを
扱わないで下さい」
手を掴まれるとずんずんと店へ向かった