第8章 菊の花
「そして非常に聡い方です
記憶力が凄いのですよ
いつ聞いたのか分からないですが
私の名を読んでくださいました」
「そうか…」
(思った以上だ)
「…信長様にあのような顔を
させられるのも来実様しか
おりません」
「あのような顔?」
「はい
とても優しい顔つきでした
まるで娘を…いえ愛する人を
愛でるような…」
「…!」
(そうか…俺が城で感じた
違和感はこれか…)
「…ご苦労もう下がっていい
これからは来実を守れ
情報は1日おきに知らせろ」
「承知いたしました光秀様
来実様は必ず守ります」