第8章 菊の花
「菊報告しろ」
「はい光秀様
来実様に怪しい点は
御座いませんでした
それどころか…
私は来実様が好きになりました」
「…何?」
光秀は珍しく不思議そうに
菊を見た
菊は光秀の部下の中でも
非常に優秀且つ厳しいのだ
(その菊を1日で…何をしたのだ
あの小娘は)
「何故だ?
気に入った理由でもあるのか」
「来実様は私のような下の身分のものにまで
敬語を使い、いちいちお礼と謝罪を
してくださるのです
今日なんて手伝いをしたいと頼まれて…」
「…手伝い?」
「はい
姫様に何を手伝わせたらいいのか
迷いに迷った中生け花を手伝って
もらいました
広間の生け花をご覧になりましたか?」
「!あれか…」
(花などを愛でる趣味は無いが
見たことのない配色に目を奪われた)