第8章 菊の花
「ただいま帰りました!
信長様!!」
秀吉と一緒に天守閣にいる
「楽しかったか?」
「はい!安土が大好きになるくらい
楽しかったですよ」
満面の笑みを浮かべる来実
「そうか…ところで
その山のような甘味は
食べ切れるのか?」
「私のじゃないです!
これは女中さんにあげるんです!」
「女中に?何故…」
「今日はお手を煩わせてしまったし
これからも仲良くしたいので」
「ふん…自分の物は買えたのか?
随分遅くに帰ってきたな」
「あ…すみません
反物を選んでいたんです」
「反物?俺が着物を仕立ててやると
言ったときは断ったではないか」
(断っても10着くらい送ったが
これでも抑えたほうだ)
「違うんです
今日一緒にいた女中さんが
針子らしくて話を聞いてたら
針仕事をしてみたくなったんです」