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戦国怪奇譚

第7章 城下町


「良いものが買えました!
 ありがとうございます
 秀吉さん!!」
「あぁ…」
「まだ怒ってますか?」
「?最初から怒ってないぞ」
「でも険しい顔してますよ」
「どうしたらお前が甘えてくれるのか
 考えてた」
「っ!充分甘えてますよ?」
「…でもなぁお前
 何一つ自分の物買ってないだろ」
「…私お兄ちゃんが欲しかったんです
 すごく優しいお兄ちゃんが」
「…?来実?」
「私には二人妹がいて三人姉妹
 なんです
 二人とも私の自慢の妹です」
「そうか…仲いいんだな」
「あ、確か写真が学生証に
 挟んであったはずなので
 帰ったらお見せします!」
「それで兄貴がどう関係するんだ?」
「言ったでしょう妹が二人いるんです
 私は必然的に長女なわけで
 どう頑張ってもお兄ちゃんは
 存在できないんですよ」
姉がいたら結婚すれば兄は出来るが
長女の場合それは絶対にありえない
「…だからお兄ちゃんみたいな
 秀吉さんと買い物できただけで
 私にとって最高の贈り物なんです」
「…!!」
「…伝わりましたか?」
秀吉は顔を覗き込んでくる来実から
顔をそらした
赤くなった顔を見せないために
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