第7章 城下町
その時
「来実!!」
ばっと二人同時に振り向くと
来実の保護者…もとい秀吉が
汗だくになって店に入ってきた
(ナイスタイミングです!秀吉さん)
密かに佐助は親指を立てた
「秀吉さん!ごめんなさい
勝手にうろついて」
「いや無事ならいいんだ
俺のせいだしな…」
ぽんっと頭に手を置かれる
「秀吉さん大丈夫?
あ、私の残りのお茶あげます」
と言って半分くらいに残った
湯呑を秀吉に渡した
「…っいいのか?」
「走り回って探してくれたんですよね
ありがとうございます」
秀吉はためらったものの
飲み干した
「ありがとな来実
…そっちの男は誰だ?」
秀吉の目線が来実から佐助へと向いた
「秀吉さん…佐助君はね
怪しいおじ…お兄さんに
絡まれてたところを助けてくれたの」
「そうなのか?」
ふと目線の鋭さが緩む
(来実さん…今おじさんって言おうとしてた)
心の中で笑いつつも平生を装った
「佐助といいます
来実さんには誓って変なことは
していません
お金も頼れる人も
いないようでしたので
ひと目の多い茶屋に入りました
迎えが来たなら俺は行きますね」
ペコリと会釈して店の外に出ていった
「今日から佐助君と友達になりました」
(ホントは昨日からだけど…)
「そうか…だがなたまたまいいやつで
良かったがこういう時は城に
帰っててくれよ」