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【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】

第6章 儚く散った花火が君に酷似していたから


『……?』

ゆっくりと振り返ると、短髪で茶髪な背の小さい男の子(?)が顔を赤らめていた。

『ええっと……どうしました?』
「あっ、あのっ!きょ、去年もこの祭りに来てましたよね⁉」

前乗りになりながら、その男の子(?)は言う。言葉を発した後、恥ずかしくなったのか身を下げた。

『はぁ……。いましたけど……何か?』
「お、俺、実は……その……」

お面を被っていたとて、雰囲気などが変わらず、分かる人は分かるらしい。
その男の子(?)は言葉を濁しながら、目線をずらす。

「ひっ、一目惚れしたんです!」

目を合わすのが恥ずかしいのか、一瞬下を向いたが、真正面を向きながら男の子(?)は言う。
#れいか#は首を傾げた。お面をかぶっているのに一目惚れ。彼は狐が好きなのだろうか。かと言って決してお面を外さない#れいか#は、ただ沈黙していただけだった。

「来年は……来年もまた来ますか……?」

心配そうに言う彼に、今度は#れいか#が目を外し下を向く。

『ごめんなさい、私、来年にはもう引っ越してるんです』

突如告げられ、終わりを迎えそうな自分の初恋。それに男の子(?)はガーンッと衝撃を受けた表情をし、膝に手をついた。

「そ、そんなぁ……。っじゃあ!じゃあせめて、顔だけでも見してください!」

流石小さい子(?)と言うように彼は自分の欲求をそのまま伝える。

『……きっと、またいつか会えますよ』
「……え?」

『貴方、名前は?』
「おっ、俺の名前は──」

赤い顔のまま、自分の名を言おうとした時、#れいか#は遠くから名前を呼ばれる。

「#れいか#……?貴方、#れいか#って言うんですか!?」
『あ……はい。私の名前は#れいか#です。また、会いましょうね』

最後に狐の仮面を少しずらし、美しく惚れ惚れとするような宝石を埋め込んだような瞳と男の子の目と目が合う。
男の子は息を呑み、その場から動けなくなる。あまりにも美し過ぎて、想像を絶する程の美貌に時が止まったようになった。
ハッと意識を取り戻した男の子は#れいか#の腕に手を伸ばすが、それは惜しくも叶わず、もう一つ瞬きをすると彼女は消えていた。


走りながら黒尾と孤爪のところへ向かう。

「……ねぇ、誰かと話してた?」
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