【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第6章 儚く散った花火が君に酷似していたから
一瞬、誰かと対面しているように見えた孤爪は#れいか#の瞳を見ながら聞く。彼女の目に自分が写っている事に対して若干の嬉しさを感じながらも彼からは嫉妬が見え隠れしていた。
『?別に誰もいなかったけど……何かあったの?』
首を傾げながら疑問を浮かべる彼女を孤爪はそれならいい、と言い返した。
三人で手を繋ぎながら帰っていく暗い街並み。けれど所々明かりがあるのは流石都会といったところだろうか。
誰も会話を交わさず、夜道を歩く。蟋蟀が何処から遠くで鳴いていて、夏の夜ということで涼しい風が心地良くて、会話を交わさずとも、気まずくならないのはきっと真の幼馴染だから。
孤爪と黒尾の家に付き、孤爪はバイバイと手を振り家に入っていく。
黒尾も同じように、孤爪に続き、家に入ろうとドアノブを捻ろうとしたが、少し止まり、浴衣姿の為少し走りにくいができる限り走り、#れいか#に抱き着く。
『……ん、どうしたの?』
ギュッと抱き締める黒尾の背中に優しく触れて#れいか#は問う。少し沈黙となる黒尾に、#れいか#も沈黙する。
「#れいか#」
胸に#れいか#をいれ、ポツリと彼女の名前を呼ぶ。そうすればなに?と返事をする愛おしい彼女。
「俺、本当に、本気で#れいか#が好きだ」
いつもとは違う、真剣な声に#れいか#は背中に触れている手を少し動かす。
「ずっと、ずっと幼馴染っていう関係は嫌だ。……だから、だから大人になったら、本気で考えて。……今の#れいか#に、そんな気持ちがないってことは分かってる。……でも、俺は本当に好きだから」
強く抱き締める黒尾に、#れいか#はうん、と小さく返した。