【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第6章 儚く散った花火が君に酷似していたから
「「"皆の願いが叶いますように"……?」」
『そう。もうこういう時ばっかり二人共喧嘩するんだから。これでいいでしょ?平和平和』
子供を慰めるような笑みを浮かぶ#れいか#に、黒尾と孤爪は何処か満足して微笑んだ。
短冊を笹に掛けているとき、ふと#れいか#は隣にいるお婆さんに声をかけられた。
優しそうな、物腰の柔らかいお婆さんに#れいか#は優しく微笑みながら、なんですか?と聞く。
「お嬢さんや、そのままだと、神隠しされるかもしれんなぁ」
『──……!』
突如言われた言葉に、#れいか#は目を見開く。
「神も魅入るモノ、あんまり無防備だと隠されるよ」
笑顔だけれど、力強い言葉で繋げるお婆さんに#れいか#は見開いた目から、また笑顔になり言う。
『心配してくれて有難う御座います……でも、大丈夫ですよ』
風が吹き、どことなく世界が違うような、空気が変わったような不気味な雰囲気を漂わす。
お婆さんはそうかい、では楽しんでおいでと再び優しい笑顔で#れいか#の後を見つめた。
「また来年も来ような、#れいか#、研磨」
黒尾は楽しかったのか笑顔で言う。
「なに毎年同じこと言ってるの。当たり前だよ。ね、#れいか#」
孤爪に言われ、#れいか#は空を見上げる。
『……そうだね、また来年も一緒に来よう』
ふわりと金木犀の香りが揺らめく。何処か脆く感じる#れいか#を黒尾と孤爪は釘付けになるように見つめた。
***
「俺ちょっとトイレ行きなくなってきた……」
「オレも。……#れいか#、一人で待てる?」
孤爪は#れいか#に声を掛ける。好きな女の子、と言うものもあるが大人びた雰囲気をしている#れいか#も実年齢はまだ小学六年生。心配するような二人に#れいか#は大丈夫だと安心するように声を掛け、人は少なすぎず、多過ぎずの場に#れいか#を置いて二人は出来るだけ近場のトイレを探しに行った。トイレの近くで待っておけばいいと思うかもしれないが、花火大会ということで人は多い。それに夜遅いということで、トイレ前だと不良の男や女の溜まり場になりやすいのだ。一度経験したことがある二人は、もう一度繰り返さないようにしているだけである。
二人を待っている時、後ろから#れいか#の腕を掴んだ人がいた。