第4章 色々と問題はありそうです
「落ち着けってウテナ! デュースの菌でも移ったか!?」
「なっ、失礼な!」
私の予想外の行動に周りの注目が集まる。
こんなことされて大人しく退散するはずもない2人組がマジカルペンを私に向けた。
「せ、先輩、校則に魔法での私闘は禁じると……」
デュースが私と男子生徒の間に割って入り、魔法を用いた私闘は校則違反だと宥めようとするが聞く耳を持たない。
「私闘? これは先輩から後輩への教育的指導ってやつだよ!」
「なら、俺もお前達に先輩として教育的指導をしてやらないとな」
「ふ、副寮長!」
彼等は私達……ではなく、後ろにいる人物を見て急に焦りだす。
「可愛い後輩をイジメるのは見過ごせないな~」
聞こえてきたもう1人の声には聞き覚えがある。
「リドルには黙っておいてやるから、これ以上ここで騒ぐな。 他の生徒の迷惑になるだろ」
「は、はい」
「すみません……」
居心地が悪くなった2人はそそくさと食堂を後にした。
「うちのがすまんな」
「ウテナちゃんって意外と大胆~!」
『あ、あの、すみませんでした』
自分でもなぜこんなことしたのか分からないし、信じられない。
私ってこんな怒りっぽかったっけ……
食べ物を粗末にしたのも最低だ。
『ごめんグリム。 せっかくのご馳走を』
「お、オレ様は別に気にしてないんだゾ」
副寮長と呼ばれた青年が片付けを手伝ってくれ、気を取り直して昼食をとるこに。
ケイト先輩と、同じくハーツラビュル寮3年生のトレイ先輩も同じテーブルに着いた。
「君はオンボロ……ゴホン、使われてなかった寮の監督生に着任した新入生のウテナだろう? ケイトに聞いてる。 さっきもだが、うちの寮の奴らが迷惑かけて悪かったな」
『いえ、そんな』
この学校にこんな常識人がいるとは。
「ところでオマエたちの寮は今朝みたけど他の寮ってどんなのなんだ?」
「学園のメインストリートにグレート・セブンの石像が立ってたじゃん? あの7人に倣ってこの学園には7つの寮があるんだよ」