第3章 楽しい学園生活の始まり始まり
今日は授業初日。
早起きしてバスルームで身支度をしていると廊下から高笑いが聞こえてきた。
この特徴的な笑い声は……
「ヒーヒッヒッヒ! 昨晩のあの慌てぶりは面白かったね~」
「鏡を使って脅かすなんて天才だ!」
ゴースト達が廊下で昨晩の私の真似をして走り回っていた。 いや、正確には飛び回っていた。 私の叫び声まで真似しながら。
覚えてなさいよ……いつか絶対追い払ってやるからな!
―――ドンッ! ドンッ!―…
『なになに!?』
そう決意し再び鏡に向き直った瞬間、突然部屋中がガタガタと揺れだした。
『地震!?』
天井から落ちてきた埃のせいでせっかく整えた髪が埃だらけになってしまった。
急いで顔と髪にかかった埃を払い、まだ寝ているグリムの元へ急いだ。
『グリム! 逃げるよ!』
「ふなっ」
グリムを小脇に抱えてエースを起こしに談話室へ走る。
『エース! あれ?』
談話室にエースの姿が見当たらない。
代わりに玄関の方から話し声が聞こえ、向かうとそこにはエースとデュースがいた。
『おはよう2人とも……』
なぜデュースがいるのか分からなくて2人の顔を交互に見る。
「おはよう、ウテナ。 エースが迷惑かけてすまない」
「お前はオレの保護者か」
話を聞く限りエースの様子見と、寮長の怒り具合の報告をしに来た感じかな。
起床時間を守れなかった人が3人エースと同じ目に遭ったそうだ。
「めっちゃ怒ってるじゃん!」
『起床時間なんて決まってるんだ……』
タルトの盗み食いで怒られるのは分かる。 でも、ちょっと起きる時間が遅くなっただけで首をはねられるなんて……
少し度が過ぎている―――