第1章 夢で見た世界は
どうせこれ夢なんだし、面倒な仕事を任されても別にいいや。
『はい、分かりました』
学生にはなれなかったけど、とりあえずここに置いてもらえるからグリムもきっと喜んで―――
「そんなのいやなんだゾ!」
『こら、贅沢言わないの』
この学園長は自分のこと優しいとか言ってるけど本当は残酷無慈悲なんだからそんなこと言ったら、
「不満ならば結構。 また外に放り出すだけです」
ってなるからね。
「ふな"っ!? わ、わかった! やればいいんだろ、やれば!」
「よろしい。 では2人とも、明日からナイトレイブンカレッジの雑用係として励むように!」
『はい』
学園長を見送った後、一番状態がマシな部屋を探す。
ベッドは埃まみれでカビ臭いけど今日だけの我慢。 もうすぐこの夢から覚めるんだし。
『おやすみグリム』
「……ふなぁ…」
もう寝てる。 ゴースト退治頑張ったもんね。
夢にしてはかなりリアルに感じる体の疲れで瞼は次第に閉じていく。
……疲れる夢だった―――
―――けど、楽しかったな……