第23章 囚われた英雄
Nの背中でトゲピーを隠し、私たちは身動きひとつせずにプラズマ団を睨む。
「N様と女は?」
「異常なしです」
「おし、さくっと作業終わらせるか」
私たちの姿を確認して、プラズマ団が荷物の出し入れを始めた。モンスターボールをコンテナに積めている。最近パシオで頻繁に起きていたポケモン強奪が関与しているのかもしれない。
言いようのない怒りと悔しさに、ひとりでに表情が険しくなる——と、
(ナナ)
Nに小さな声で呼ばれ、我に帰った。
(彼らが運んできた荷台の工具箱にハサミがある。なんとかあれを手に入れられれば…)
(ほんとだ。隙ができればいいんだけど)
と言ってから、隙は待つものではなく作るものでは?と考え直した。
でもそれを誰が?
Nは最重要人物だから警備が厳戒。トゲピーは絶対にバレてはいけない。
というわけで、
「あのっ、すいませーん」
消去法で私しかなかった。