第23章 囚われた英雄
「これからどうなっちゃうのかな」
「ゲーチスは支配のためにゼクロムとキュレムを合体させようとしている。なんとしてもそれは阻止しないといけない」
「でもどうやって?」
「ポケモンとポリゴンフォンを奪われている今のボクらでは何もできない。まずは持ち物を取り返す策を考えよう」
と言っても、手足を縛られたままこんな暗闇に閉じ込められた私たちに何ができるのだろう。
奪われた荷物はどうなっているのか。
ゼクロムや、私たちのポケモンは無事なのだろうか。
もし、売られたり悪事に利用されていたら?
「…はやくここから抜け出して、ポケモンたちを助けないと」
「ここは、時々荷物を運ぶためにプラズマ団が出入りしている。その隙をつけたらいいんだけ——」
Nが言葉を止めて、私の頭に頬を寄せた。
「大丈夫。キミのポケモンはきっと無事さ」
「うん…そう、だといいな…」
堪えていた様々な感情があふれ出し、身体の震えが止まらなかった。
「きっと今頃、みんながボクらを探してくれている。それを信じて、ボクらにできることをすればいい」
「でも、こんな状態でなにができるの?」
「それを共に考えるんだ」
こんな時ですらNは冷静だ。
それに比べて私は後悔ばかり。
グリーンの怒った顔が頭に浮かぶ。
知らない人についていくなとか、ひとりで出歩くなとか、いつも注意されていたのに、運営事務局と言われてノコノコついて行った自分の注意力の無さを悔いた。
ヒナギク博士が攫われたと聞いた時、違和感は確かにあった。その時点で、博士本人に確認を取らなかったのが誤算だった。
そうだ。
トゲピーも、博士から預かっていたんだ。
せっかく人に慣れ始めていたのに、もしまた酷い目に遭わされたら——
あれ?
でも、そういえばトゲピーって??