• テキストサイズ

【ポケモン】パシオで恋して

第23章 囚われた英雄



「いくら教育を施したとて……、やはり、バケモノには理解が及ばぬということか……」

氷の刃のように、冷たく非道な言葉だった。

Nは心を閉ざし、黙り込んでしまう。

私が出会った人間史上、大嫌いかつ苦手な人トップ3に確実に入る男、ゲーチス。

その姿を見るだけで嫌悪感と恐怖で背筋が凍りつく。けれど、この人は私の大切な仲間であるNの父親でもある。

こんな時、グリーンならどうするだろう?

グリーンならきっと、自分のことを度外視して仲間を守ろうと戦うはずだ。

そう思うと、不思議と勇気が湧いてきた。

おくびょうな自身を奮い立たせて、震える唇を開く。

「え、Nはっ…!」

私が声を発すると、ゲーチスがゆっくりと顔をこちらに向けた。

「Nは…っ、ポケモンと人の分断を望んでいません!お願いです。これ以上もうNを苦しめないでください…!」

汚い物でも見るような冷徹な視線は、目が合うだけで血の気が引く。

だけど、まだ言いたいことを伝えきっていない。

恐怖が頭の中を覆い尽くす中、それでも言葉を必死に紡いだ。

「あなたが、本当にNの父親なら、世界征服とか言う前にNをもっと見てほしい!Nはあなたの道具じゃない!」

すうと息を吸い込んで、声を張り上げた。

「……Nは…バケモノなんかじゃない!」

「ナナ…キミは…」

Nの虚ろな目に、かすかに光が戻った気がした。


/ 562ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp