第22章 はじまりの3人
「……見て!グリーン!!」
急いで人差し指を空に向けた。
「おおっ、ラッキー!」
大きな流れ星がひとつ、弧を描いておつきみやまの向こうに落ちていった。
初めて見た流れ星に感動して、思わずぴょんぴょん飛び跳ねると、私の声も弾んだ。
「すごいね!きれい!あんなにはっきり見えるんだね!」
「前日に見るとか、縁起いいじゃん」
もう一回見えたらいいねなんて話して、しばらく夜空を眺めていたけど、流れ星はあれきりだった。
遅くなるからとグリーンに言われ、流れ星は諦めて、残り少ない夜の散歩を再開した。
「お願いできなかったぁ」
「まあいいじゃねえか。見るだけでレアなんだから」
「見るだけじゃなく叶えたいもん」
いじける私の隣でグリーンがぴたりと立ち止まる。
夜に溶けちゃいそうなほど小さな声だった。
「オレが叶えてやろうか?」
いつもみたいにカッコつけて笑うから、どうせまた冗談で言ってるんだと思った。
だから、
「そんなの——」
「叶えられるわけない」と返そうとしたのに。
目が合った瞬間、胸の奥に電流が走ったみたいに痛くなって、びっくりして声が止まる。
胸の痛みは奥に広がって、見えないはずのココロは本当に胸の中にあるんだと初めて自覚した。
ちっちゃな頃から一緒だったのに、今はなぜかグリーンが隣にいるだけで、流れ星を見つけた時よりドキドキしている。
なんだろう。この感じ。心臓が驚いてるみたい。
「で?願いごとはなんなんだよ?言ってみろよ」
「…………決めてない。 まだ」
急にグリーンの顔を見るのが恥ずかしくなって、私からスタスタと歩き出した。グリーンはからかうように顔を覗き込んでくる。
「なんだよ。ならどっちみちお願いできねえじゃん」
「うん…」
変だ。やっぱり。
話そうとすると顔が熱くなって、喉の奥がやけどしたみたいにチリチリしてうまく声が出ない。