第22章 はじまりの3人
勝ったグリーンは満足げな顔をして、くるんと足を家の方へ向けた。
「よし、そろそろ帰ろうぜ」
「でもまだ眠くないよ」
「遅くなってバレてもいいのかよ」
「やだけど…」
人口の少ない田舎町だから、夜はひっそりしていて人っこひとりいない。だからこうしてグリーンと歩いているだけで、夜の世界の王様になったみたいで楽しかったのに。
「明日早いんだろ?」
「うん…」
と、言いながらも足を動かさない私を見て、グリーンがからかうような口調で聞いてきた。
「遅くなってバレたら、みっちり叱られるけどいいのか?」
「やだ!」
「なら帰るぞ」
「……はぁい」
帰るといっても、近所だから10分ぐらいで着いちゃうんだよね。
「もう冒険おしまいかぁ」
ふて腐れていると、グリーンは頭の後ろで手を組みながら呆れ顔を向けてきた。
「お前さ、明日から嫌でも毎日冒険ざんまいだろ」
首を傾けて流し目で、最後にため息のおまけつき。
「でもグリーンはいないもん」
「そうかそうか、そんなにオレさまと一緒にいたいか」
今度はそう言いながら、目を閉じて自分に酔い始める。
「うん」
「…っ、な、なんでだよ?」
なぜかグリーンは驚いた顔をして聞き返してきた。簡単な理由なのに。
「だって、強いポケモンいたら捕まえるの手伝ってほしいし、一緒の方が楽しいし」
「オレをこき使う気かよ」
「ちがう。みんなは一緒に旅に出たけど、私はひとりだもん…」
しょんぼりした気持ちで言い返すと、「たしかにな」と頷いている。