第22章 はじまりの3人
散歩中、グリーンはポケモンについてたくさん教えてくれた。育て方、レアポケモンの生息地、ボールで捕まえるコツ、タイプ相性のむずかしさ。
頭で考えて、覚えて、試してきたことが、今のグリーンの強さと知識になっているんだと思った。
「オーキド博士みたいに、グリーンもポケモン博士になれるね」
「やなこった。オレはまだまだ強くなりたいんだよ」
「またポケモンリーグに挑むの?」
「いいや」と言って立ち止まると、グリーンが小さく息を吸うのが聞こえた。
真剣な顔で、じっと私を見つめてくる。
「……オレさ、決めたんだ。トキワのジムリーダーになる」
びっくり、からのあんぐり。
想像もしていなかった宣言に、開いた口が塞がらない。
そういえば、トキワジムってロケット団の隠れ家だったのがわかってから、ずっと閉鎖されていたんだった。
つまり、グリーンが8つ目の——カントーでいちばん強いジムリーダーになるってこと?
「おい、聞いてたか?」
ハッとして開けっぱなしだった口を閉じ、首を縦にぶんぶん振った。
「うん!すごいよ!いいと思う!」
グリーンは嬉しそうに腕組みしながら笑う。
「いろいろ縛られたくねーから断ってたけどよ、お前が旅立つんならオレも腹を決めようと思ってな」
「てことは、私はグリーンに勝たないとポケモンリーグ行けないの?」
「そういうことだ」
にひひと悪役っぽい顔になったグリーンに、負けじと言い返す。
「じゃあいーっぱい強くなってくるからね!」
「おう!お前の挑戦待っててやるよ!」
「かわいいポケモンで最強チーム作るし!」
「へえ?そいつは楽しみだな」
鼻で笑ってくる余裕たっぷりなグリーンに詰め寄る。いつの間にこんなに背が伸びたんだろう?前までは視線を上げればすぐそこに顔があったのに、今は見上げないと目が合わない。
「信じてないでしょ?」
「バッジ7個集めたら信じてやるよ」
上から目線にちょっとムッとする。
「すぐ集まるもん」
「言葉じゃなく結果で示せよな」
「できるもん」
そのままにらめっこ開始だ。
しばらく耐えたけれど、私が先に吹き出して負けてしまった。