第22章 はじまりの3人
「あのね、グリーン、私のこと嫌いになっちゃったみたい」
誰にも言わないで心の中にしまっていた言葉をナナミおねえちゃんに伝えると、ポロポロと涙がこぼれて落ちた。胸の奥がじんじんする。どうしてこんなに痛むんだろう。
手の甲で涙をこすっていると、ナナミおねえちゃんがハンカチで私の目元をそっと拭いてくれた。ハンカチからはお花の香りがした。
「大丈夫。ナナちゃんを嫌いになるわけないじゃない」
「でも…遊ばなくなったもん、話してもくれない」
ナナミおねえちゃんは小さなため息をついた。
「ごめんね……、あの子、さみしがりやなくせに、ナナちゃんの前ではカッコつけたいのよ」
会えないのとカッコつけるのが頭の中で繋がらなくて、首を傾げる。
「どうして?」
そう聞くと、ナナミおねえちゃんはまた笑顔になった。
「どうしてかしらね?ふふふ…」
いつもなんでも教えてくれるのに、この時はなぜか答えてくれなかった。
「あの子がナナちゃんと話せるようになるには、もしかしたらもう少し時間がかかっちゃうかも。でもね、待っててあげて」
「待ってたらグリーン、また仲良くしてくれる?」
「もちろん。だから安心して」
ナナミおねえちゃんは人差し指を立ててシーってした。
「あの子、恥ずかしがり屋だから、この話はふたりだけのヒミツね」
「はずかしがり?グリーンが?」
「そうよ。レッドとリーフよりうーーんとね!」
「そうなんだ!あははっ」
いつのまにか涙は止まり、気がついたら私も笑っていた。
ナナミおねえちゃんとヒミツを作ったのが、自分もおねえさんになったみたいで嬉しかった。