第22章 はじまりの3人
レッドは殿堂入り後、またすぐ旅に出た。今度はジョウト地方に行くらしい。
レッドは修行が大好き。チャンピオンになっても、まだまだもっと強くなりたいんだって。
リーフちゃんはというと、世界中のポケモン図鑑をコンプリートしたい!とはりきって、ホウエン地方に出かけていった。リーフちゃんも冒険を楽しんでいるみたい。
グリーンとは、あの日からずっと話していない。
しょっちゅう出かけてるし、オーキド博士のお手伝いが忙しいみたいで、家に行っても全然会えない。
旅が終わったら、みんなマサラタウンに戻ってくると思ってたのに。
結局私たちは離ればなれ。
もうあの頃には戻れない。
私のことなんて忘れちゃったんだ。
みんな夢があるし、やりたいこともあるから、仕方ないよね。
ひとりぼっち、グリーンがくれたイーブイと海を眺めていた。
ザァザァと波の音が、ゆりかごみたいだった。
もうすぐ私も、この海の向こうの知らない世界へ冒険に出る。そしたらみんなに追いつけるのかな。
強くなって、立派なポケモントレーナーになって、世界中を旅して。
レッドと一緒に修行して、リーフちゃんと図鑑集めして、それから、グリーンと——
「みつけた、ナナちゃん」
海風に混じって優しい声がした。
振り向くと、ナナミおねえちゃんが風になびく髪を耳にかけて手招きしている。
「一緒にお茶しない?おいしいお菓子もらったの」
「うん!」
ナナミおねえちゃんは、ひとりぼっちの私をいつも気にかけてくれた。
そんな優しいナナミおねえちゃんに、ひとりっ子の私は本当の姉のように甘え、毎日遊びに行っていた。