第22章 はじまりの3人
私の頭をぽんぽんしてから、グリーンはポーチからモンスターボールを出した。
「よし、特別最後にすごいの見せてやる!」
「すごいの?」
「見とけよ」と言いながら、グリーンがモンスターボールを空へ投げた。出てきたのは大きな鳥ポケモン。立髪も翼もすっごく立派で、太陽を背にキラキラして見えた。
オーキド博士の研究所にあった図鑑で見たことある気がする。ええと、このポケモンはたしか——
「ピジョン?」
グリーンは、ふふんと勝ち誇った顔で首を振った。
「はずれだ。こいつはさ、ピジョンがさらに進化したピジョットだ!そこの草むらで捕まえたポッポをここまで育て上げたんだぜ」
グリーンは、腰に両手を当てて得意げに笑う。その横のピジョットも嬉しそうに鳴いた。ポッポならたくさん見かけるけど、進化した姿は初めて見た。
「カッコいい〜!」
たった5文字に、ありったけの感動を詰め込んで叫んだ。
「だろ?こいつがいれば遠くまでひとっ飛び!だからいつでも帰ってきてやるよ!」
グリーンはポーチにボールをしまい、ピジョットの背に跨る。
「もう行っちゃうの?」
「おう、ちゃっちゃとバッジゲットして、四天王ぶっ倒してくるぜ」
「そっかぁ」
もうちょっと一緒にいたかったのにな。
寂しいのをがまんしていると、グリーンはニヤリとしながら空に舞い上がった。
「泣くなよ!またすぐ帰ってきてやるから」
と、グリーンが指2本立ててキメ顔を見せつけてきたのと同時に、ピジョットが生み出す風が私のスカートをめくり上げた。
「げ」
と、うめいて、カッコつけていた顔が崩れて赤くなる。
広がるスカートを両手で押さえつけ、涙目でグリーンを睨んだ。
「へんたい!」
「わ、ワザとじゃねーし!」
「へんたーい!」
「うるせー!じゃーな!」
突風と共にすごい速さで飛び立って、あっという間に見えなくなった。
「…いってらっしゃい」
空の向こう、イーブイと一緒に手を振った。