第22章 はじまりの3人
「なあ、これ見てみろ」
手のひらにじゃらりと並ぶカラフルなバッジたち。しずくや炎、虹色のお花。いろんなデザインがある。
「これもおみやげ?」
「ちげーよ。これはジムバッジだ」
「ジムバッジってたしか、ジムリーダーを倒せばもらえるんだよね?」
手に乗ったバッジを目で数えてみる。いっこ、にこ、さんこ——
「もう7こも集めたの!?」
「ああ、ジム戦絶好調でさ、思ったより大分早く集まっちまった」
「すごい!じゃあグリーン最強になったの?レッドとリーフちゃんよりも強いの!?」
グリーンの顔が一瞬「うげ」ってなった。
だけどすぐにいつも通りのクールぶった顔に戻る。
「あのな、最強イコールチャンピオンなんだよ。チャンピオンになるためにはさ——」
長話が始まった。
バッジを8つ集めた人がポケモンリーグの四天王に挑める。四天王に勝てばチャンピオンとして認められる。オレは天才だから絶対チャンピオンになれる。みたいなことを熱く話してるグリーンをよそに、私はイーブイのふわふわに夢中になっていた。
「つまり、あいつらがのんきに寄り道してる間に、オレが先にチャンピオンになってやろうってわけ」
「うんうん」
肉球かわいい、おめめも大きい、全部かわいい。
「そしたら、オレさまは世界でいちばんのポケモントレーナーだ!」
「うんうん」
首のフワフワきもちいい!しっぽもふさふさ!
イーブイに頬擦りしていると、グリーンが顔を覗き込んできた。
「聞いてたか?オレの話」
「うんうん」
突然ひょいとイーブイが奪われた。
「返して!」
「没収だ」
「なんで!」
「オレさまの話を聞かない罰だよ」
「聞いてた!最強になったらおめでとうって言いにいくよ!」
「バッジは何個でポケモンリーグ?」
「8つ」
「ポケモンリーグで戦うのは?」
「してんのう」
しぶしぶイーブイが私の腕の中に戻される。
「まあいいや。つーわけで、最後のジムであるトキワジムに挑むついでに、優しいオレさまはマサラタウンに寄り道してやったんだよ」
「トキワジムってずっと閉まってなかったっけ?」
「それがさ、ようやくジムリーダーが帰ってきたんだと」
「ふーん」