第21章 行方不明
洞窟の前に放り出されると、ロケット団はそのまま入口の警備を固めた。見張りが何人も配置され、とても一人で潜入できる状況ではない。
だが、目的の情報は得た。もうこのアジトに用はない。
洞窟から距離を取り、森の中へ身を潜める。
周囲に人の気配がないことを確かめてから、ポリゴンフォンをポケットから取り出した。
「……聞こえてたか?」
「ああ」
通話のまま繋いでいたポリゴンフォンからグリーンの応答を確認。小さく息をついてから切り出した。
「サカキの言い分だと、犯人は恐らくプラズマ団で、Nを狙った犯行だ。アジトの場所は特定してるか?」
「プラズマ団なら、国際警察のスパイが既に潜入してるはずだ。リラに連絡を取ってみる」
リラというのは国際警察のメンバーで、ハンサムの上司だ。国際警察の上層部がパシオに来ているってことは、今のパシオは想像以上に深刻な事態なのかもしれない。たしかに、騒ぎを起こしている世界中の組織が島ひとつに集まっているなんて、普通に考えて異常だしな。
「場所がわかったらすぐに連絡をくれ」
「OK。けど、一旦合流して作戦を考えたい。ひとりでは向かわないでくれ」
グリーンはさっき別れてから、知り合いのトレーナーにも捜索を呼びかけていたそうだ。Nを探していたトウヤやトウコにも連絡済みらしい。
オレにワタルと協力するよう指示してきやがったので、思わず不満を漏らした。
「はあ?なんでワタルなんかと…!」
「シルバー………頼む…!」
「……チッ……わかったよ……!」
否定が喉までせり上がり、ぐっと堪えて飲み込んだ。
それから、この後の流れについてひと通り確認し、通話を終わらせた。