第21章 行方不明
モニターには、遊園地の観覧車から降りて歩くNとナナの姿があった。
「パシオの防犯カメラの映像だ。お前が探しているのは彼らだろう?」
「なんでこんな情報をロケット団が持っているんだ…!」
「なに、有力なトレーナーが行方不明と聞いて、我々も独自に調べさせてもらったまでだ」
「つまり、犯人はロケット団ではないと言いたいのか?」
オヤジはなにも答えずに映像を切り替えた。今度はセントラルシティ内を、見知らぬ女と3人で歩く姿が小さく映っている。
「目撃者の証言では、彼らはヒナギク博士の名前を聞いて慌てた様子だったそうだ」
「ヒナギク博士?」
「まだわからないか?」
次にモニターへ映し出されたのは1枚の写真だった。
3人が写っている場所はおそらく、街を抜けた先にある森だ。
そこで、ようやく全てが繋がる。
「……そういうことか。ヒナギク博士の名前でおびき出してそのまま攫ったんだ」
小さく舌打ちが漏れる。
「……あいつらなら、十分あり得るな」
「わたしがお前に教えられるのはここまでだ」
モニターの画面が暗くなる。オヤジが立ち上がると、寄り添っていたペルシアンもソファから降りた。そしてペルシアンは、オヤジを護るように足下で座りながらこちらを見据える。
優秀な護衛だ。団員の誰よりも忠実で頼もしいんじゃないか?
オヤジは、高圧的な目つきで片方の口角を上げた。負けじとオレも睨み返す。