第21章 行方不明
「これはこれは……客を呼んだ覚えはないんだがな」
洞窟はオレの読み通り、ロケット団の地下アジトに繋がっていた。
「呼んでも誰も来ないぜ。ここに来るまで会ったヤツらはみんなぶっ倒したからな」
「フッ、並み居る敵を倒し、たったひとり突き進む……無知であるが故に無謀、しかしこの感覚、懐かしくもある」
「ぶつぶつなに言ってやがる」
地下アジトの最深部、見張りからくすねたカードキーで鋼鉄のドアを開いた先で、オヤジはひとり、モニターを眺めながらソファに座っていた。膝にもたれかかるペルシアンはオレの姿を一瞥して、ごきげんそうにひと鳴きした。
アジトの中にはナナとNはいなかったが、オヤジを探す手間を省けたのは思いがけない収穫だった。
「トレーナー失踪はあんたのしわざか?」
背中を睨み、質問をぶつける。
オヤジは動じる様子も見せず、オレに背を向けたまま、壁一面に設置された監視モニターを見ている。
「…またヒーロー気取りで潜入し、わたしからタダで情報を得ようと?」
「こっちはイラついてんだ。はやく質問に答えろ」
「穏やかじゃないな。お前も少しは交渉術というものを学んだらどうだ?」
「なにが交渉だ。部下がやられても優雅にモニターを眺めていたってことは、最初からオレをここにおびき寄せる算段だったってわけだろ?」
答える代わりに、オヤジはこちらへと顔だけ振り返った。ペルシアンの背を毛並みにそって撫でながら、
「…まあいい、こちらとしても、濡れ衣を着せられ困ってたんでな。お前にヒントをやろう」
オヤジは手元のパソコンで、モニターの画面を切り替えた。