• テキストサイズ

【ポケモン】パシオで恋して

第19章 グリーンの看病



「——…頼って、いいの…?」

「今までダメだったことあるか?」

「たぶん、ない」

「だろ?」

ふわりと優しく腕に包まれる。

「だから、治るまでしっかり甘えてろ」

耳元で紡がれる甘い声に、たまらなくなって目を閉じた。そのままそっと引き寄せられて、グリーンの胸に頬が触れた。

トクン、トクン。心臓の音が聞こえる。ゆっくりと、確かにそこにあって、私の不安や寂しさを忘れさせてくれる大好きな音。

「……でも、もしうつっちゃったら…」

嬉しいのに、素直になれない。

だって、やっぱり迷惑はかけたくない。

「いいから」

短く返ってきた声のあと、腕が背中に回る。逃げ道はもうなくなった。

移したくない。迷惑かけたくない。

「グリーン…」

断らないと。自分から離れないと。

「どうした?」

ひとりで平気。

そう伝えようと思ったのに。

「……帰っちゃ、やだ……」

(あれ?)

自分の声が自分のものに思えず、言葉を理解するまで少し時間がかかった。

口にしてしまったあと、熱のせいだと頭の中で言い訳しながらも、気づけばグリーンの服をぎゅっと掴んでいた。

グリーンが、一瞬だけ息を止める気配がした。

「……いつもそれぐらい素直だと、こっちも助かるんだけどな」

苦笑混じりの声。でも腕の力は緩まない。

むしろ、いつもよりずっと優しくて、ずっと強い。

朦朧としていた意識が、今はもう恋の熱に浮かされ胸が苦しい。

こうやってきっと何度だって、私は恋に落ちてしまうんだろう。


/ 562ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp