第19章 グリーンの看病
「…あのね、一緒に……、いてくれる?」
返事の代わりに、おでこに軽いキスが落ちて、低い声で囁かれる。
「ったく、初めからそう言えばいいんだよ」
余裕たっぷりで少し意地悪な、いつも通りのグリーンの反応。
だけどそれが嬉しくて愛しい。
「……だいすき」
ふと、心の奥から本音がこぼれ落ちた。グリーンは小さく鼻で笑う。
「わかってるよ。世界でいちばんなんだろ?」
「グリーンは?」
「…なんだよ急に?」
「私のこと、すき?」
普段ならこんなこと聞かないのに、確かめたくなってしまった。
これもたぶんきっと熱のせい。だから、許してほしい。
「言わなくてもわかんだろ」
ぎゅうっとさらに強く抱き締められる。耳元で聞こえる鼓動が少しずつ高鳴っていく。
「……たしかに、わかったかも」
ぴたりとグリーンの胸に耳を当てながら頷くと、グリーンが何かに気づいたように腕の力を解いた。
「……お前…、言うじゃねーかっ」
グリーンは両手で私の頬をむにーっとつねり、まぬけ顔を見てゲラゲラ笑い出した。
「や、やめれっ、たいひょうがあっかふる…!」
訴えるとすぐにイタズラは止まり、今度は強い力で包み込まれる。耳元でグリーンの深いため息がした。
「……このグリーン様が看病するんだから、はやく治せよな」
「そう言われても…」
「……治ったら覚悟しとけよ?ナナ…」
そうやって甘く囁いて、また私を翻弄する。
この時間は、あまりにもあたたかくて幸せで。
何もかも熱のせいにして、今だけはとことん甘えていたかった。