第19章 グリーンの看病
薬が効いたのか、グリーンが部屋を出て行ってからすぐに眠りにつくことができた。
夢の内容はよく覚えていない。
何かに追われたり、どこかを漂っていたり、あまり楽しい夢ではなかった気がする。
目覚めた時、部屋は真っ暗だった。
ベッド脇にあるランプのスイッチに手を伸ばす。身体は鉛のように重く、探すだけでひと苦労だ。
やっとのことで明かりをつけ、オレンジ色に照らされた部屋を眺める。テーブルには、空のマグカップやタオル、錠剤の入った瓶がそのまま散らばっていた。
グリーンが戻った気配はない。もしかしたら用事が長引いて、そのままここへ寄らずに帰ったのかもしれない。
ひとりでいるのは慣れてるし、むしろいたら移しちゃうかもだし、いなくてよかった。うん、よかった。
トイレに行こうと立ち上がると、視界がぐらりと傾いた。
倒れかけ、なんとか持ち堪えて壁に手をつく。
そのまま壁伝いに移動して、トイレを済ませてから洗面所に寄った。
汗でベタついた顔を洗って拭いていると、ドアが開く音がした。ふらつく足で入口へと向かう。
「ナナ、フルーツ買ってき——おい、どうした?」
ふらついたまま胸に飛び込むと、グリーンはとっさに持っていた袋を高く掲げ、もう片方の腕で私を受け止めた。
「オレがいなくてさみしかった?」
「……うん」
グリーンは驚いたように一瞬固まり、私の顔をまじまじと見つめる。
「……お前、熱でもあんのか……?って、あったな」
そう言って、軽々と私をお姫様抱っこする。身体が持ち上がる時びっくりしたけど、それだけで心細かった気持ちがしゅわしゅわ溶けて、安心感に満たされた。